2024-01-01から1年間の記事一覧

最近読んだ南洋群島に関する二冊の本

オンライン書店の「日本の古本屋」で「南洋」を検索すると、なんと4,613件の在庫が確認された。南洋に関する書籍などが売り出されている。絵葉書、写真帖、雑誌、年鑑、統計書、風俗慣習、文化・宗教、地理、教育、資源、原住民族、南洋群島の発展概況、農業…

国産コーヒーと南洋群島

日本人で初めてコーヒーを飲んだのは、江戸時代の長崎出島のオランダ語通詞であったと言われている。明治の文明開化ともにコーヒー飲用が徐々に広まっていった。海外からの輸入に依っていたコーヒーを日本で生産しようとしたのは、榎本武揚であった。榎本は…

江戸川乱歩の『新寶島』に見る南洋

「冒険ダン吉」の連載が終わった後、『少年倶楽部』誌上では、江戸川乱歩の少年向けの作品「新寶島」(1940年)の連載が始まった。江戸川乱歩は既に『怪人二十面相』(1936年、昭和11年)『少年探偵団』(1937年、昭和12年)などの子供向け作品を発表し、人気作家…

南洋群島への夢:冒険ダン吉と森小弁

『冒険ダン吉』は子どものころ復刻版を読んだ記憶がある。 冒険ダン吉(3) 少年倶楽部文庫 講談社 島田啓三 1976 この他『ロビンソン・クルーソー漂流記』『宝島』『十五少年漂流記』『少年ケニア』などを熱心に読んだ記憶もある。 さて、『冒険ダン吉』は、…

伊藤若冲の弟白歳の作品

今日は久しぶりに四条の錦市場と新京極通りに出かけた。ここから歩いて5分ほどの裏寺町通りにある宝蔵寺の寺宝展を見学した。 宝蔵寺の正面 宝蔵寺は江戸中期に活躍した絵師伊藤若冲家の菩提寺として知られている。昨日から今月12日まで寺宝展が開かれ、若冲…

中国政治史研究者渡辺龍策先生への思い出

渡辺龍策先生との出会いは、筆者が20代中ごろのことである。長兄を介して、先生と知り合うことができた。先生とは栄にあるホテルの地下のラウンジバーでお会いして、よく話をした。このバーへ、先生はほぼ毎日通っていた。 先生は戦前・戦後初期までに通算25…